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安く買う方法の教科書【上級編】
買った後も価格と付き合う

第5回 / 全5回(最終回)

最終回は、視点をひとつ上に引き上げます。ここまでは「いくらで買うか」の話でした。しかし上級者は知っています——本当の値段は、買値ではなく「買値マイナス売値」だということを。物は買って終わりではなく、いつか手放す。その日までを含めて初めて、その買い物の本当のコストが決まります。

1. 「実質コスト」——2万円のモノがタダより安くなる話

ふたつの買い物を比べてみましょう。

どちらが「安い買い物」か
A:セールで8,000円のガジェットを買った。2年後、値が付かず処分。実質コスト 8,000円
B:定番品を20,000円で買った。2年使って14,000円で売れた。実質コスト 6,000円

値札ではAの圧勝、実質コストではBの勝ちです。この「売値まで含めた計算」をリセールバリュー(再販価値)で考えると言います。買値の安さだけを追うと、この視点が抜け落ちます。

2. リセールバリューは買う前に調べられる

調査編で覚えた「売れた値段の調べ方」を思い出してください。メルカリの売り切れ検索、落札相場——あれは買うときの適正価格を知る道具でしたが、まったく同じ手順で「この商品は数年後いくらで売れるか」も読めます。買う前に、その商品の2〜3年前のモデルが今いくらで取引されているかを見る。それがあなたの買おうとしている商品の、数年後のおおよその売値です。

傾向として、リセールバリューが高いのは:定番ブランドの定番モデル(市場に買い手が常にいる)、状態を保ちやすい物付属品と箱が揃った物。逆に低いのは、無名ブランド、流行り物のピーク価格、モデルチェンジの激しいジャンルの新品高値掴みです。

3. 買った直後の値下がりに保険をかける

買った翌週に大幅値下げ——誰もが一度は経験する悲劇ですが、実は救済手段が用意されていることがあります。

店の価格保証。一部の店やカードには「購入後一定期間内の値下がり分を補償する」制度があります。すべての店にあるわけではありませんが、大きな買い物の前に、その店の保証制度を一度確認する価値はあります。

買う時期の設計で悲劇自体を避ける。カレンダー編の知識があれば、「大型セールの直前」「新型発表の直前」という値下がりの崖の淵で買うことを避けられます。保険より予防です。

4. 手放す技術は、もう半分身についている

実質コストの式の後半——「高く売る」——は、それだけでひとつの技術体系です。相場の読み方、販路の選び方、送料と手数料の計算。実はここまでの教科書で、その基礎はすでに半分学んでいます。相場の読み方は調査編そのものですし、値段が動く原理は売る側から見ても同じだからです。

続きは第2部「高く手放す方法」で扱います。安く買い、良く使い、高く手放す——この循環が回り始めると、買い物は「消費」から「持ち物の入れ替え」に変わります。

5. 教科書の卒業試験

全5回の内容は、次の5つの問いに集約されます。買い物のたびに自問できれば卒業です。

買う前の5問
① この値段は実質価格か?(基礎編)
② いま買うべき時期か、待てば大潮が来るか?(カレンダー編)
③ 過去の推移で見て、いまは底か山か?(調査編)
④ 自分の装備(還元)は効いているか?(装備編)
⑤ 手放す時の売値まで入れて、実質コストはいくらか?(上級編)

そして、この5問のうち①と③の見張りは機械に任せられます。値下げ検知ボードは人気商品の実質価格を毎時監視し、大きな値下がりと底値の更新を自動で掲示しています。あなたが教科書を閉じた後も、見張りは続いています。

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