高く手放す方法【ルール編】
気持ちよく売り続けるための基礎知識
第2部 第4回 / 全4回(最終回)
最終回は、売る技術ではなくルールの話です。個人の売買は基本的に自由ですが、規模ややり方によっては許可や申告が関係してくる領域があります。難しい話ではありません。「どこまでは気にしなくていいのか」の線を知っておく——それだけで、安心して売り続けられます。
1. 不要品を売るのは、原則として自由
まず安心してください。自分が使うために買った物・使わなくなった物を売ることは、生活に伴うごく普通の行為で、許可も届け出も要りません。フリマアプリの利用者の大半はこの範囲にいます。この教科書の第1部で「リセールバリューを考えて買い、使い終えたら手放す」と勧めたのも、この自由な範囲の話です。
2. 古物商許可——「売るために仕入れる」を繰り返すなら
線が引かれるのは、目的が変わったときです。利益を得る目的で中古品を仕入れ、それを売ることを繰り返す場合、古物営業法に基づく「古物商許可」が必要になります。ポイントは「自分で使うために買ったか、売るために買ったか」という目的と、その反復性です。中古品の仕入れ販売を事業として続けたいと考え始めたら、それは許可を取るタイミングが来たというサイン。許可は警察署経由で申請でき、個人でも取得できます。制度の正確な内容は道具箱の警察庁の案内ページで確認してください。
なお、新品を店から買って売る行為は古物営業法の枠外とされる場合もありますが、判断が分かれやすい領域です。事業として考えるなら、自己判断せず警察署の窓口に相談するのが確実で、実際いちばん早道です。
3. 税金——「生活用品の売却」と「利益」の区別
税金にも似た線があります。生活に通常必要な動産(衣類・家具・通勤用の自転車など)を売った利益は、原則として課税対象になりません。日常の不要品売却で税金を心配する必要は、ほとんどの人にはないということです。
一方で、営利目的の継続的な売買による利益や、貴金属・美術品など一定の高額資産の売却益は、課税の対象になり得ます。給与をもらっている人の場合「給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要になる」という基準がよく知られていますが、何がその「所得」に数えられるかの判定こそが本題で、ここは個々の状況で変わります。売買の規模が育ってきたと感じたら、売上と経費の記録を残す習慣を先に作り、判断は国税庁の案内(道具箱から)や税務署・税理士で確かめてください。記録さえあれば、どちらに転んでも困りません。
4. そもそも売ってはいけない物・危ない売り方
最後に、金額以前の話を短く。法律で定価を超える再販売が禁止されている興行チケット、偽ブランド品、医薬品など資格の要る商品、盗品——これらは扱った時点でアウトです。また、フリマ各社の規約で禁止されている商品カテゴリ(各社で異なります)も、アカウント停止の実損に直結します。相場より不自然に安い仕入れ話が「盗品の換金役」だったという事件も現実にあります。出どころの怪しい品には近づかない。これは法律以前の、この世界で長く続けるための鉄則です。
5. 第2部のまとめ——安心は技術の一部
相場を読み、販路を選び、丁寧に出品し、ルールの線を知る。この4つが揃うと、「手放す」は不安な作業から、持ち物を循環させる技術に変わります。第1部の言葉を借りれば——安く買い、良く使い、高く手放す。その循環の全部を、これであなたは手にしました。
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